ドラゴンタイプ

<私とドラゴンタイプ>

 ポケモンの中で「かっこいい」というイメージがあるといえばドラゴンタイプのポケモンだろう。レックウザディアルガをはじめとしてドラゴンタイプには多くの伝説のポケモンが属しており、その知名度は非常に高い。もちろん、ボーマンダカイリューのような一般ポケモンでも人気のあるものもいるため、ドラゴンタイプはまさに「ポケモンの看板」といっても過言ではない人気を誇っているといえよう。

 私もドラゴンタイプにロマンやかっこよさを抱いた少年少女の一人であった。私がポケモンに慣れ親しんだ頃は、ちょうどディアルガパルキアといったドラゴンタイプの伝説のポケモンが映画などに出演していた時期であった。映画やアニメを通じて彼らの強力なパワーや風格あるたたずまいを目にしたことによって、私は彼らに対して強いロマンを抱いた。この強い思いは数年たった後になってレシラム、ゼクロムと出会ったときに再燃した。このときの私はDSを持っていたため、ゲームの中で彼らと遭遇した。アニメや映画で表現されていた彼らの強さはゲームの中でも再現されていた。私はゼクロムとともに多くのトレーナーをいとも簡単に倒していったため、ゼクロムのその圧倒的なパワーに惚れ惚れした。こうして私はドラゴンタイプに並々ならぬ好感を抱くようになったのである。

<ドラゴンタイプとは?-ポケモン界の頂点に降り立ったものー>

 ドラゴンタイプとは何か?この記事ではこのタイプの魅力について語っていくわけであるが、その前にこのような基本的な事項についてもっ確認をしなくてはならない。本項ではドラゴンタイプとは何かについての基本的な説明を行っていく。

 ドラゴンタイプとは初代ポケットモンスターから存在するタイプの一つである。当時、ドラゴンタイプは希少な存在であった。というのもカイリュー系統しかこのタイプのポケモンが存在しなかったのである。ドラゴン使いのトレーナーである四天王のワタルが同じ種類のポケモンしか使わなかったのは有名な話ではあるが、その所以がこれである。このようにドラゴンタイプのポケモンは非常に希少な存在であった。

 ドラゴンタイプの特徴はその攻撃範囲の広さにある。初代以降、ドラゴンタイプの攻撃ははがねタイプを除くほとんどのタイプのポケモンに対し半減されずにダメージを与えることができた。そのため、多くのポケモンに対し強力な攻撃を浴びせることができた。また、ドラゴンタイプは防御面でも優れている。このタイプは最初の3匹の主要タイプであるくさ、ほのお、みずや、でんきタイプの攻撃を半減する。そのため、何も対策をせずにドラゴンタイプのポケモンと戦うと苦戦することになる。私もくさタイプのポケモンでドラゴンを強行突破しようとしたら、レベル差が5あるのにもかかわらず半分以上体力を削ることができず、返り討ちにあったことがある。このようにドラゴンタイプは相性ではすぐれた位置にいた。

 しかし、これは過去の栄光に過ぎない。ポケットモンスターX・Y以降に新たに導入されたフェアリータイプは彼らの立ち位置を大きく揺るがした。フェアリータイプはドラゴンタイプに対して弱点を突くことができるだけでなく、彼らからの攻撃を無効にすることができる。そのため、ドラゴンポケモンは必ずしも最強のポケモンとは言えなくなった。しかしながら、後述するようにドラゴンタイプのポケモンの多くはその能力値の高さも魅力的であるため、トップクラスのポケモンであるということは今もなお変わらない。

<ドラゴンタイプはなぜ強力なのかータイプを無視できるステータスの暴力ー>

 以上のように、ドラゴンタイプは希少な存在であっただけでなく、タイプ相性において強う立ち位置にいたため、これをもつポケモンはほとんどが最強格であるとみなされていた。しかし、フェアルータイプの存在によって、その立ち位置は揺らいでしまった。それでも彼らには高い能力値というも魅力がある。では、その強力なステータスは、なぜドラゴンタイプを最強たらしめているのだろうか。この項ではこのような問いについて具体例をあげつつ考察していく。

 ドラゴンタイプのステータスの高さは代表的なポケモンが600族といわれるグループに所属していることからうかがえる。600族とは、種族値ポケモンの能力を表したもの)の合計が600であるポケモンの総称である。通信対戦で有名であるボーマンダガブリアス、チャンピオンの手持ちとして有名なカイリューメタグロスがこれに該当する。この600という合計種族値は対戦で使えるポケモンの中では最高のものであるため、しばしば対戦でも非常に強力な性能を有する。例えば、ソード・シールドで初登場したドラパルトはほかの比にならないくらい高い素早さ種族値と平均以上の攻撃力によって対戦で最も使用されているポケモンの一匹となった。このように優れた性能を持つ600族はしばしば対戦で使用されてきた。実はこの600族の多くはドラゴンタイプなのである。メタグロスバンギラスを除く7種類のポケモンがドラゴンタイプである。このような能力値の高さはドラゴンタイプを強力たらしめているのである。

 もちろん、600族以外のドラゴンタイプも強力な力を秘めている。例えば、金銀で登場したキングドラは特性「すいすい」(ポケモン対戦では天気というものが存在する。この特性は天気が雨の時に素早さの能力値を2倍にする)と平均以上の種族値によってダブルバトルを中心に対戦でしばしば使われてきた。また、ブラック・ホワイトで登場したオノノクスはソード・シールドの対戦で使用可能なポケモン中最高の攻撃種族値を持つため、相手のパーティを崩す目的でよく使われてきた。このようにドラゴンタイプのポケモンは600族以外でも強力なステータスや特性を持つため、対戦では強力な立ち位置を確保できているのである。

<ドラゴンタイプにロマンを感じるのはなぜだろか?>

 このように強力な性能をもつドラゴンタイプは対戦において非常に高い人気を有している。しかし、対戦での人気があるだけではどうして私たちがドラゴンタイプにかっこよさを覚えるのか?を説明することができない。そこでこの項ではドラゴンタイプをロマンあふれるものにする要因とは何かについて考察していこうと思う。

 ドラゴンタイプのロマンはまさにその威厳ある外見にあると思われる。彼らの多くは設定上体の大きさが人を大きく上回っている。例えば、ボーマンダサザンドラはアニメにおいて人一人を乗せられるほどの大きな体を持っている。この体が大きいというのは私たちにロマンを感じさせる。読者の中には子供のころ、合体ロボやウルトラマンのことが好きだった人もいるだろう。これらは人間の何十倍も大きく、その一挙手一挙動が非常にダイナミックなものとなっている。この動きのド派手さは彼らをロマンあふれるものにさせる。もし人間くらいの大きさでロボットの時と同じような戦闘を繰り広げてもそこにはものサブ意思差が残るだろう。ビームを打っても、倒れこんでも、破壊される場所は限定的である。そのため大怪獣バトルにみられるような戦闘の派手さがない。体が大きいということは、モーションの派手さを保障しているということである。そのため、見ている人を飽きさせないような迫力感を出すことができ、ロマンを感じさせる。ドラゴンポケモンはまさのこの条件を満たしているといえよう。

 ドラゴンタイプのロマンは凶暴性そうな見た目にもあるといえる。例えばガブリアスボーマンダは目つきが非常い鋭く、またとがった歯や爪をもっている。このような特徴は動物的な強さを強調する。私たちはこのいかにも強そうな外見にも惹かれやすい。アクション俳優を思い浮かべるとわかりやすい。彼らはその役割上、肉弾戦を主に演じている。そのため、筋骨隆々であることが多いため、動物として強いということを視聴者に印象付けやすい。劇中でアーノルド・シュワルツェネッガーが敵を倒すシ-ンを見て、かっこいいと思うようなものである。このように生物的に強いと思わせられるような外見は人々の気を引きやすい。したがってドラゴンタイプは強そうな見た目を有しているため、ロマンを感じさせると考えられる。

<まとめ>

 ドラゴンタイプは強力なタイプである。フェアリータイプの登場によって最強の座は揺らいだが、高い能力値と優れたとくすぃによって今もなお最高ポケモンの一角を占めて居る、見た目でも「いかにも強そうな特徴」と大きな体によって私たちにロマンを感じさせる。伝説のポケモンの多くがドラゴンポケモンだった理由もこれで納得がいくだろう。ドラゴンポケモンは簡単に人気をとりやすいのである。

 しかし、ドラゴンタイプの中でもそのキャラクターの多様性は存在する。例えば、チルタリスはロマンを感じるというよりはむしろ「かわいらしい」という印象を与えるポケモンである。このようにドラゴンタイプといっても「かっこいい」の一辺倒ではない。近々登場するレジドラゴはドラゴンタイプ初のレジ系(レジロックなどの名前にレジがついたポケモンの総称)であり、無機質的なイメージを与ええるものとしても初めての存在である。このようなドラゴンタイプの多様化には今後も注目していきたいと思う。